◇ 投稿記事 ◇ JI1MDZ -100- |
“FT-857の送信周波数の微調整について” |
◆ 2024年3月9日、衣笠山公園の移動運用をしていた時に片倉さん(JH1OHZ)から中心周波数145.160MHzが1kHzほど上側にズレているご指摘を戴きました。このため、周波数を調整する箇所を検索サイトで探した所、FT-857ServiceManualが見つかりダウンロードしました。PDF版で80ページもありました。周波数調整が出来そうな数箇所をみつけましたが自信が無く3月15日、片倉さんに調整箇所が見つからないので更に調査を継続する内容の中間報告をしました。
<写真> IC-9700による私が送信したSPAN16kHzのスペクトラム(片倉さんより) |
|
◆ FT-857は製造中止品であり万が一、調整箇所を間違えて、例えばPLL回路のロックが外れたりしたら回復不可能になる可能性もあり躊躇していました。余談ですがFT-857はプレミアム物件のようでヤフオクでは程度が良ければ98,000円で出品されています。
3月25日(日)クラブのオンエアーミーティングの担当が終了したので再度、サービスマニュアルを読み直しました。多分この箇所だろうと見切りを付けてFT-857の上蓋を開けて図面と本体の基板配置を念入りにチェックしました。 |
上蓋を取り外した状態 |
周波数を調整しましたTC5001はトリマコンデンサで
容量は20pFです。
|
|
◆ REFユニットの回路を下に示します。TC5001のコンデンサの数値は10pFとなっていますが部品表では20pFでした。調整箇所の拡大した写真を下記に示します。 |
REFユニットの回路 |
調整箇所の拡大写真 |
|
◆ 25日午後、片倉さんにLINEメールして時間が有るときに周波数精度の確認をお願いしました。
快く承諾を戴き、即、送信を開始ししました。
トリマを回して周波数が変わらなかったらどうしようか? など頭をよぎりました。またトリマを右に回すのか、左なのか迷いましたが、何となく左側に約10°回しました。片倉さんからマイナス側に行き過ぎている連絡があり、少しずつ戻したりして3回程度で周波数偏差がゼロになりました。(トリマを回して周波数が変化したので内心ホットしました)
音声による変調帯域もナローFM機の占有周波数帯域内であり問題無く、周波数誤差も100Hz以下の数十Hz以内のコメントを戴きました。片倉さんのIC-9700は別の機器で10PPBの周波数精度にて校正されているようなので超安心です。 |
|
◆下記に周波数調整後のSPANを4kHZ、8kHzの観測波形です。(片倉さんより) |
|
◆ FT-857は固定局、移動局共に使用していますので送信周波数のズレなど心配していましたので助かりました。片倉さん有り難うございます。
FT-857を所有されているクラブ員のご参考になればと思い投稿しました。なお、ダウンロードしましたPDFファイルがありますので必要な方はメール下さい。 ito.mdz59@gmail.com |
『 2024年3月28日JI1MDZ 伊東 記 』 |
pdfファイル |
|