◇ 投稿記事 ◇ JN1AZF -101- |
" 液晶テレビの電源基盤の修理" |
JN1AZF |
先日、我が家で使用しているテレビの電源が突然入らなくなり困ってしまいました。
Net等で某社製、液晶テレビの電源系に問題を抱えている投稿が多く書かれております。
購入から4年程度で、故障になるのはちょっと早いような気がします。
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1、不具合現象 |
主電源ボタンを押しても全く反応がありません。(完全に電源基盤が壊れている様です。)
また、電源基盤に耳を傾けると2秒に1回、間隔で「カチ、カチ」と極小さい音が出ています。 (正常にテレビが映っている場合は、音はしない) |
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2、調査結果(不具合現象からみて電源基盤と判断) |
① 100V入力系及びフューズ、フイルター系 問題なし。
② 一次側パルストランス、パワーMOSFET、ダイオード足の半田状態、半田クラック等なし。
? 一次側、パワーMOSFET、ダイオードの内部、短絡、オープンなし。(黄色枠)
④ 高圧電解コンデンサーには370Vが出力されて問題なし OK!
? LEDライト、T-CON系を起動させる出力電圧が出ていない。(27.9V、他) (青い枠の所)
⑥ 映像制御(CPU系)へ出力電源の12Vが出力されていない。 (赤色枠の所)
⑦ 二次側、パワーFET、及びダイオードの短絡、オープンは、していない。 (緑線四角枠)
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3、原因(消去法で考えると) |
・調査結果から判断して、整流ダイオードの不具合と判断 (1ケ短絡状態) |
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4,処置(対策) |
・手持ちのショットキーダイオード(HER508 1000V5A)に入れ替えた。
(写真では1ケですが後で4ケすべて交換済み)
・ コンデンサー(中華製)から日本製のニチコンに入れ替えた。3ケ共 (黒色、点線枠)
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5,ダイオード破損の要因 |
・コンデンサーを取り外しESRを測定した結果、ESR値が若干高い為、電源投入時、 規定以上の突入電流が流れた為とダイオードの劣化の為と推測される。
"又、年月が経過すると赤色枠のコンデンサーの劣化も進み、電源「ON,OFF」を繰り返す"
不具合現象なるものと推測されます。 |
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6、修理後の映像 |
一日(4~5時間)つけてみましたが、問題が無いようです。 |
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7,注意・その他 |
・本件の調査、及び修理の際、コンデンサーに残留している高電圧に注意。
(370Vを誤ってシュートさせました。「バッチと火花」)
・Net情報はある程度参考になるが、調査結果が書かれいるものは少なく、自分のカンコツが便り
・コンデンサーは南通江海電容器股分有限公司製(江蘇省)で耐久性は105℃ 5000h 優れもの
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以上 |
【2024.05.15 JN1AZF 河野 記】 |
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