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STANDARD C58のLCD換装  
JA7UIO/1 山崎 
 
はじめに
 私が開局した頃(うん十年前)は、TRIOとYAESUの全盛時代でしたが、その中で異彩を放っていたのがSTANDARDというメーカでした。とにかく小型、薄型でデザインも洗練されていたような気がします。(個人的感想ですHi)
 STANDARD C58は、まるでSLのような型式ですが知る人ぞ知る144MHz帯のオールモードポータブル機です。気に入っていたのですが、ご覧のようにLCDが劣化のため判読出来ない状態になりました。


 今となっては部品入手不可能で、ジャンクから外すことも検討しましたが見つかったジャンクはだいたい似たような状態でした。そんなとき、HAM World誌の2022年5月号でC58のLCD換装という記事を見つけました。(JA3GQQ 藤江OM執筆)この記事を読んで勇気づけられ「やってみよう」という気持ちになりました。

改造内容
 どうせばらすので、LCDの換装だけでなく色々手を加えることにしました。今回のテーマはLCD換装なので、他の項目についての詳細説明は割愛させていただきます。

LCD換装

LCDをバックライト付きのLCDに変更。当然ですが、全く仕様が異なるのでPICマイコンを実装し、LCDのコントロール信号を解析して新しいLCDに表示データを転送します。

ビープ音変更

ボタンを押したときのビープ音が安っぽいだけでなく聞きにくいので、周波数を落ち着いた周波数に変更(低周波発振回路のコンデンサ定数変更)

メータ照明追加

白色LEDを2個追加し、夜間でもメータを読み取れるように変更

タンタルコンデンサ対策

この当時の機種は「時限爆弾」とも言えるタンタルコンデンサを多用しています。できれば全数交換したいところですが、部品も気力も無かったので、オーディオアンプの出力からスピーカに接続されているものを除去しました。これがショートするとスピーカを壊し、致命傷になりますので。(並列に電解コンデンサも入っているので外しても支障はありません)


LCD換装回路
 左端のコネクタJL-06がC58ボード上にあるLCD接続用コネクタで、これをPICマイコン(18F14K50)の入力ポートから読み込み表示内容を解析して右端のLCDに表示させます。オリジナルのLCDにはM1, M2などのメモリーマークが表示されますが、換装LCDにそのようなマークは無いので、ピリオドの表示位置で表すようにしました。
 LCD周辺の回路はLCDの裏側にボードを貼り付けて実装しました。ちなみにこのボードは2mmピッチで、取付時に本体内の他の部品にぶつからないよう気を使いました。I2C(シリアル)接続なので、バックライト用電源も含め接続ケーブルは5本だけです。
 PICマイコンボードは、とにかく小さいのでちょっとしたスキマに入ります。ちょうどLCD接続用コネクタの下側に収まりました。左右に動く余地が無いので特に固定はしていません。


LCDの固定
 今回最も苦労したのはLCD外付け部品の実装と、完成したLCDユニットのパネルへの固定方法です。LCD外付け部品の実装は、チップコンデンサの使用でなんとかコンパクトにできましたが、問題はそれをどうやって固定するかということです。HAM Worldの記事ではパネル内部の板金を削って組み込んでいましたが、そのような工具は無いので、そのままホットボンドで固定することにしました。
LCDの下部に青い帯が見えますが、これは表示しているものではありません。LCDの固定位置が上に寄っているため、LCDの下部(境い目)が見えているのです。これを見えなくするためには、内部の板金を削って下にずらすしかありませんが、デザイン的に違和感が無いのでこのままとします。(最も工具が無いのでできませんが Hi)


おわりに
 古い無線機で今でも使える機種はたくさんありますが、無線機の機能自体は動いているのにLCDの劣化などで使えなくなるのは寂しいものです。今回のようなケースは稀かも知れませんが、今後は無線機が壊れてもすぐに諦めずに様々な方法を検討してみたいと思います。
  【2024.05.18 JA7UIO 山崎 記】

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