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◇ 投稿記事 ◇ JA7UIO  -103-    
ICOM IC-208 修理(受信感度低下)  
JA7UIO/1 山崎 
 

はじめに
 ICOM IC-208は144/430MHz帯FMトランシーバで、他の機種ではDUAL BANDが多かったのに対してなぜかDUO BANDトランシーバという名称です。操作がシンプルで気に入っていたのですが、ついに故障してしまいました。オンエアミーティングのときにSメータが振れていないのに気づき、メータの調整をすれば治るかと思いきや、受信感度もみごとに低下していました。

 430MHz帯は問題なく144MHz帯のみの故障ですが、この機種は内部に調整VRというものがいっさい無く、所定の信号を入力してボタンを押すと調整は内部のソフトが自動的にやってくれるという仕様です。ということは、「こんなもんだろ」とテキトーにVRを回してOKとすることが出来ない訳でして…Hi

 受信感度の調整をするためにはSSG(標準信号発生器)が必要ですが、そんな高価な測定器は持っていません。(所有機材は20MHz帯域のオシロとマルチメータのみ)会社から借用するという手もありましたが、その前に今ならもしやと思いネット検索すると・・・見つけました。安くても数十万円はすると思っていたSSGが新品で約1万円でした。確認くらいには使えるだろうと思い、購入してみました。

激安SSGとは・・
 言うまでもなく中華製ですが、マニュアルのようなものは一切なく極限までコストダウンをしていると言う代物でした。一番驚いたのはフロントパネルがプリント基板の裏側であり、内部から実装しているLCDやキーボードの足が出ているということです。(日本人にはあり得ない発想かも知れません)

 肝心のスペックですが、470MHzまで-107dBmのFM信号が出力出来るようなので、早速修理にとりかかりました。

修理用治具の作成
 IC-208のサービスマニュアルには以下のような治具を作成してマイクコネクタに挿入すると指示されています。
 
 今回は受信感度の調整のみなので22kΩの抵抗だけでOKですが、先々のためPTT用スイッチも付けて作成しました。


部品交換
 RF増幅の初段あたりが怪しいのではと思い調べたところ、初段FET Q38 (3SK299)のソース電圧が0.8Vに対して0Vになっていました。ビンゴです!Hi
 3SK299はすでに入手不可能なので互換品を探したのですが、なかなか見つかりませんでした。3SK299は2mmというチップ部品ですが、やむなく2.9mmの3SK240を入手して交換することにしました。
 3SK240の場合は足を立たせ、なんとかとなりの部品に当たらないように実装することができました。


受信感度とSメータの調整
 さきほどの治具をマイクコネクタに挿入し、SETとBANDボタンを押しながら電源ONすると調整モードが起動します。アンテナ入力からSSGで-107dBmのFM信号を入力し、調整は自動でやってくれるのですぐに終わりました。確かにラクですね。

おわりに
 最近の機種はVRが無くなって自動調整化が進んでいるのかも知れませんが、「調整する楽しみ?」を奪われたような気もします。Hi
外観はおもちゃのようですが、とりあえずSSGを入手できたので先々は受信機の修理だけでなく、できれば自作にもトライしてみたいと思います。


  【2024.06.11 JA7UIO 山崎 記】

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