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◇ 投稿記事 ◇ JA7UIO  -106-    
STANDARD C58 ブレークイン機能追加  
JA7UIO/1 山崎 
 

はじめに
 昔から「手のかかる子供ほどかわいいもの」と言われていますが、私の場合は「手のかかる無線機ほど愛着が湧くもの」と言えます。実際、手をかけた無線機はなかなか手放せません。STANDARDのオールモードポータブルC58もかなり手をかけた方でして、未だに手放せずここにあります。Hi 

手をかけたこと

内容

修理

PLLアンロックで送受信不可のためVCO修理(トリマーコンデンサの交換など)

修理・改造

LCD劣化で判読不可のためバックライト付きLCDに換装(PICマイコン内蔵)

改造

メータ照明用にLED追加

修理

タンタルコンデンサ短絡のため、積層セラミックコンデンサに交換(一部)

その他

ショルダーストラップの市販品を購入し、C58用に改造


 先日、ローカル局からCWの練習相手をしてほしいと頼まれ事前に動作確認をしてみたところ、CWで電波が全く出ていないことが判明しました。また手をかけることになった訳ですが(実は結構喜んでます)どうせならCWブレークイン機能も付けてやろうと思い立ちました。

送信不良の原因
 C58のモード切り替えはちょっと特殊になっており、回路もその分複雑でした。

モードスイッチ

動作

FM

FMでの送受信

LSB

LSBでの送受信(ほぼ使用しないのに何故かあります)

USB/CW

通常はUSBでの送受信ですが、キージャックに挿入するとCWモードに切り替わります。困ったことに、キーを挿入したままだと他のモードで送信できません。

 各モードでの電圧を調べてみたところ特に異常は無く「これはお蔵入りか」と諦めかけていたところ、先日のフィールドミーティングでYBQメンバーの方から「そもそもキャリアが出ていないのでは?」というアドバイスをいただきました。

 早速、調べてみたところ・・・ビンゴでした!C58はキャリア調整が少しずれただけで電波が全く出なくなるようです。

ブレークイン機能の追加
 LCDの換装で以下のような回路を内蔵しており、4ポートの空きがありました。(RC4, RC5, RB5, RB7)

 セミブレークイン機能を実現するために、これらのポートを次のように使用することにしました。

ポート

I/O

内容

RC4

入力

TRのバッファ経由でUSB/CWのモード選択状態を読み込み

RC5

入力

TRのバッファ経由でキー入力状態を読み込み

RB7

出力

PTT出力(オープンコレクタ)

RB5

未使用

 

※モードとキーについては5Vを超えており、直結出来ないためTRのバッファが必要となりました。
※PTT出力用TRは念の為コレクタ電流800mAの2SC2120を使用しました。


回路の実装
 デジタルトランジスタが有ればラクだったのですが、手持ちが無かったのでバッファTRは2SC1815を使用しました。
 

キー入力のTRバッファ(空中配線)

USB/CWモード検出用TRバッファ(空中配線)

PTT出力用TR(PICボードの右側)


プログラム
 LCD換装時にLCD表示はタイマー割り込みで行っており、表示ルーチン内でブレークインディレイ用カウンタをカウントアップするようにしました。ディレイ時間を変更する方法が無いため今のところ固定です。出来ればキー入力から設定モードを起動出来るようにしたいところですが、先々のテーマにしたいと思います。今回追加したプログラムはこれだけです。




おわりに
 CWブレークイン機能が無事に実装され、マイクのPTTを押しながらCWを打つ必要は無くなりましたが、落とし穴がありました。考えてみれば当然なのですが、USB/CWモード共用のためキーを差していない状態でUSB/CWモードに切り替えると勝手に送信してしまうのです。
 全く使用していないLSBモードをCWモードに割り当てるなど、何らかの対策が必要で、まだまだ手がかかりそうです。Hi

  【2024.06.24 JA7UIO 山崎 記】

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