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◇ 投稿記事 ◇ JH1OHZ  -66-    
ATU-100 の動作確認
JH1OHZ片倉由一

ATU-100 を制作後、実際のアンテナにつないで、不平衡アンテナとしてロングワイヤーやホイップアンテナでのチューニング評価をしました。
私はキットで制作しましたが、完成品はシールドケースに入っており、入力・出力がM型コネクタであることから、給電線としての同軸ケーブル内において、予め調整された、又は、微調整が必要なアンテナのインピーダンス整合には効果があると思うが、不平衡のアンテナまでは性能発揮は難しいのではと思われました。
ただし、実験アンテナの状態にもよるので、最終評価として決定するものではありませんが、ここでは参考までに一旦レポートするものです。
1.総合評価
〇結論:チューニングとしてのシーケンスは動いている。性能だけから見ると、今いちだが価格的にはよくできている。チューニングし SWR 値が下がったからと言って、本当に整合状態になったか?信頼性には欠ける。

〇前提条件:屋外ATU でHF帯全域をカバーできる8m弱のエレメントに対して十分アースがとれている状態。(カウンターポイズ線と、45×80cm アルミシートの両方の状態)

〇評価
①TUNE ボタンで収束せず、リレーの ON/OFF が繰り返されハンチング状態が連続される状態になることしばしば。収束する場合と収束しない場合がある。収束する閾値からのアルゴリズムの完成度は低い。

②SWR が2~3以下程度であれば収束に至るが、高 SWR の場合はなかなか収束に至らない。至ったとしても SWR 値にバラツキがあり、繰り返し TUNE しても収束しない場合もある。

③屋外 ATU で HF 帯全域をカバーできる 8m 弱のエレメントでは特定アマチュアバンドしかチューニングできなかった。この場合の 8m 弱のエレメントは 1/4λ の 9MH z台で十分なアースの状態。
・7MHz で(気まぐれ)に SWR 1.1 以下、取れなくなると 9.99。
・14MHz で収束した場合は SWR 5~6 程度、又は収束せず。
・18MHz で SWR 1.8 程度
・28MHz と 50MHz で SWR 1.1 前後
・3.5MHz と 21MHz ではチューニングせず SWR は 9.99。

④既に調整された帯域が狭い HF 帯ホイップアンテナではバンド内であればチューニングする。(これは当たり前で、あまり意味を持たない。)  要は、予め調整されたアンテナでの微調整には有効ということ。
2.電源
 リレーの規格上、かなりしっかりした 12V 電源が必要。チューンイング時にいくつかのリレーが相当バタバタやっている時は 150~300mA 程度の電流が流れる。
 スタンバイ状態は 40mA だから適当な電源でいけるかと思ったが、いい加減な電源では不可。電源には要注意と思う。
3.SWR 表示
 手動アンテナチューナーにダミー負荷し、手動でわざとチューニングをずらし、ATU-100で測定したが、1.5 以下では、ほぼ同値に。
 3 以上になると急に変化(瞬間的に捉えた数値か)5 や 6 程度の表示になることも、さらに SWR が高いとチューニング出来ずに、すぐに 9.99 表示になることも。
4.AUTO チューニング機能
 チューニング自動開始の SWR の閾値にバラツキがある、大体 SWR が 2 前後でチューニングが始まる。AUTO 機能を外し、SWR 1.5 以下では TUNE ボタン押しても動かないが SWR 2 以下でも動かない時と動くときもある。
5.送信電力
 ATU-100 の測定仕様上は 5W 以上となっているが、SWR が高い時には送信機の出力も保護回路によって低くなると測定できない場合ある。送信機の出力を 5W にしたからといって、動作するとは限らない。
以上
  【2022.03.27 JH1OHZ 片倉 記】

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