◇ 投稿記事 ◇ JN1AZF -68- |
"TM-732 電源入らず 修理記事" |
JN1AZF 河野
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オーナーから、TM-732(ケンウッド)のリグの電源が入らないので見て欲しいと言う事で預かりました。不良品のフロントエンド(表示部分)と良品の本体とつなぎ替えても、良くならないと言う事で、不良個所はフロントエンド(表示部)に付きまとっているようです。
早速、安定化電源につなぎ、リグのSWを押してみましたが、やはり、電源がはいりません。
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1)調査 |
回路図で確認すると本体とフロントエンド(コントロール)部はケーブル(4本線)で接続されており、そのケーブルの2本が電源線、残り2本が送信・受信を補っています。
まず、本体から電源(13.8V)が来ているか確認することにしました。(赤い矢印部)
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【要因箇所】 |
①ケーブルのコネクター部の接触不良又は端子の半田付け不良
②逆接防止ダイオード(D1)の破損及び半田不良
③電源レギュレータ(L78LR05)不良又は半田付け不良
④POWER SWの接触不良
順を追って確認した結果、電源レギュレータ出力端子までは5.06Vの電圧が出ていますが、基盤のパターン部に電圧が掛っていないので、半田不良と分かりました。
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【参考】 |
リグを長年、使用した場合、電源レギュレータの電圧制御により発熱し、その熱で端子の伸び伸び縮み現象の為、半田剥がれになり易い。
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2)処置 |
電源レギュレータ、端子部の再半田付け(4本)と念の為、CPU(マイコン)のVDD端子の再半田をしました。 |
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【コメント】 |
この電源レギュレータICはバッテリー電圧(13.8V)をコントロール部の供給電源(5V)として制御しているICで、主にCPUの消費電流が少ないとは言え、8.8V(13.8ー5V=8.8V)の電圧差を熱エネルギーして放熱している為、その熱の為、レギュレータのリード線が伸び伸び縮みし半田付け剥がれに至った推測します。
又、ハンダ剥がれを起こし易い箇所はハンダ量は多くしたいところですがパターンの関係上、そう、ハンダ量を多く盛る事も出来ず、長期に渡って使用する時のリスクと思われます。
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以上 |
【2022.04.26 JN1AZF 河野 記】 |
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