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◇ 投稿記事 ◇ JH1OHZ ⑩   
“2019 マイクロウェーブ展を見て”
      2019.12.3.JH1OHZ片倉由一

写真1
今年は11月27日~29日の3日間 開催  会場:パシフィコ横浜
高い周波数の電波利用がどうなっているか関心があり、毎年“パシフィコ横浜”で行われるマイクロウェーブ展に行っています。今年は11月27日~29日の3日間の開催で中日の11月28日に行ってきましたが、大きな変化がありましたので、レポートします。(写真1)
5G一色と、とうとう電波の上限3THzが見えてきた 
なんといっても民生レベルでの5Gの市場導入の影響により大変大きな変化点となってきており、総務省主管の5G実証試験の結果をはじめ、最新のマイクロ波技術情報や企業展示においても、5Gを意識した測定器、ディバイス、アンテナ関連等の最新の製品紹介や情報がありました。
今回5G用周波数として28GHz帯で400MHzの周波数帯域と、3.7GHz帯で200MHzの周波数帯域の合計600MHzの周波数帯域が新たに割当てられました。現在4Gの割当済みの周波数帯域の3.6GHz帯以下の周波数帯幅に対し、約3倍の帯域となります。この周波数を使えば、高速・大容量な通信に加え今までの容量では不可能だったいろいろなサービスが実現可能となってきます。
測定器類が大幅にスペックアップ
昨年と大きく異なったのは5Gの28GHz帯の電波やその高調波の電波の質を確実に見極めるための測定器類が大幅にスペックアップしていたことです。28GHzの3倍高調波を測定しようとすると84GHzになる訳ですが、実際の展示では100GHzオーバーまでの性能をもったスペアナやネットワークアナライザが目白押しで展示されていました。装置価格も数百万円から一千万円オーバーのものまで高額になっていました。

なかにはフィールドでの測定可能な87GHzまでバッテリで使えるスペアナ(写真2)まで登場していました。発熱が多く、手袋で操作するとのことで、手袋で画面タッチも可能とのことでした。

写真2
3THzを使った測定器発表!

写真3
なにより驚いたのは研究レベルですが3THzを使った測定器(写真3)が東芝テックと京都大学の共同研究により発表されていました。


3THz=300万MHzというと電波法で定義する電波の上限ということになります。
送信・受信設備はあたかもレーザー装置のような形 (写真4)ですが、細菌測定用に使われるとのことで、ペレットに細菌と思われるものを培養し3THzを照射しその吸収により細菌の有無を観測する装置(写真5)でした。

写真4

写真5
研究レベルでは3THzということで、いよいよ電波の最高周波数まで来たことになりますが、3THzでは常に安定した発振は難しく、実験レベルでは1THz、研究室内での繰り返し運用では300GHzが使われているとのことでした。300GHzでも1波長が1mmになりますから、装置構成も大変難しいことになってきます。

昨年までは600GHzでの研究発表はありましたが、研究レベルとはいえ3THzまで来たか!!!と感動して展示会場を後にしました。
  【2019.12.3 JH1OHZ片倉由一 記】

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